ERPC、Solana向け専有gRPC・Shredstream最上位 EPYC プランの価格改定を発表。研究開発による高効率構成で €980/月 に

ERPC、Solana向け専有gRPC・Shredstream最上位 EPYC プランの価格改定を発表。研究開発による高効率構成で €980/月 に

2025.10.18
ELSOUL LABO B.V.(本社:オランダ・アムステルダム、代表取締役CEO:川崎文武)と Validators DAO が運営する ERPC は、Solana 向け専有 gRPC ノードおよび Shredstream 最上位構成「EPYC プラン」の価格を €980/月 に改定しました。
ELSOUL LABO および Validators DAO による研究開発の成果により、高効率かつ省電力なアーキテクチャを確立しました。コストを抑えながら同等の性能を維持できる構成を実現し、最上位プランをより利用しやすくしました。

背景:R&Dによる高効率構成の確立

ERPCでは、独自のハードウェアチューニングおよびソフトウェア層の最適化を進め、AMD EPYC環境においてメモリ使用量の効率化を実現しました。これにより、同等の性能をより少ないリソースで達成し、コスト削減に成功しています。
この改良により、電力消費や発熱を抑えつつ、トランザクション処理やリアルタイムストリームに必要な安定性を維持した高効率構成を実現しました。

技術的改善点:通信構成とレイテンシ最適化

専有 gRPC ノード

通常、gRPCエンドポイントはステークを持たないため、Shredsの受取優先度が低く、ノードが最新ブロックに遅れがちになります。
ERPCではこの課題を改善するため、Jito Block Engineと同一ネットワーク内に設置されたリレーヤーからShredsを別途フィードする構成を採用しています。
これにより、gRPCノード単体では受信しにくい最新のブロックデータを確実に取り込み、遅延を抑えて安定した同期状態を維持できるようになりました。
すべての専有 gRPC ノードにおいて、この最適化構成が標準で適用されています。

専有 Shredstream Metal EPYC

ShredstreamはUDP通信による超低レイテンシを特徴としますが、瞬間的なスパイク発生時には安定性の維持が課題となっていました。
EPYC構成では、多コア・多メモリチャンネル設計を活かし、スパイク発生時でも通信を安定させる最適化を行っています。多スレッド性能を最大限に引き出すことで、リアルタイムな負荷変動にも安定して対応できる構成を実現しました。

専有環境による安定性の確保

共有構成では、接続数制限や他ユーザーによる負荷の影響を受ける場合がありますが、これらの製品は専有構成によりコネクション制限がなく、スパイク時にも他者の利用を受けない安定した環境を確保しています。
これにより、RPCやストリームを長時間連続で運用する場合でも、一貫したスループットと応答性能を維持できます。

ベアメタルサーバーとのシナジー

Dedicated Metal for Apps
各種 Solana エンドポイントと同一ネットワーク上に配置できる専有ベアメタルサーバーを保持することで、レイテンシのボトルネックになりやすい外部ネットワーク通信を排除しています。
ERPCのネットワークはSolana専用線ネットワーク「DoubleZero」に接続されており、ShredstreamやgRPC、SWQoSエンドポイントが同一専用線上で動作しています。
このゼロ距離構成により、物理的距離や経路変動を最小化し、安定した高速通信を可能にしています。

価格改定後の新ラインナップ

gRPC Plans Direct Shreds Plans
今回の価格改定により、Shredstream Metal EPYC および 専有 gRPC ノードはいずれも €980/月(税抜)に統一されました。
いずれのプランも ERPC の最上位構成として、性能・安定性・レイテンシすべてにおいてプロフェッショナルユースを想定した設計となっています。
既存ユーザーについても、次回契約更新時より自動的に新価格が適用されます。

ERPC、Validators DAOが解決する課題

  • RPC環境で発生しがちなトランザクション失敗やレイテンシ変動
  • 多くのインフラプロバイダーによる性能制限
  • ネットワーク距離が通信品質に与える影響の大きさ
  • 小規模プロジェクトほど高品質インフラへアクセスしづらい状況
私たちは、オープンソース開発を支援するSolana NFTカードゲームプロジェクト Epics DAO の開発過程で、高品質かつ高速なSolana開発環境が容易に手に入らないという課題に直面しました。
そこで独自のプラットフォームを構築し、その知見を基盤として ERPC や SLV を提供しています。
金融分野のアプリケーションは特にミッションクリティカルであり、遅延やエラーは直接ユーザー体験に影響します。
分散したバリデータや Web3 特有の構造が重なり合う Solana 開発では全体像の把握が難しく、多くのプロジェクトが遅延や不安定さに悩まされてきました。
私たちは必要とされる高性能な開発基盤を提供し、Solana エコシステム全体の開発体験とユーザー体験の向上に貢献していきます。
ERPC も SLV も、その一環として位置付けています。