ERPC、シカゴデータセンターのネットワークを10Gbpsへ全面拡張。Solana DoubleZero CHI–SLC–LAX 専用線の活用で米国中西部から西海岸の通信効率を最適化

ERPC、シカゴデータセンターのネットワークを10Gbpsへ全面拡張。Solana DoubleZero CHI–SLC–LAX 専用線の活用で米国中西部から西海岸の通信効率を最適化

2025.10.14
ELSOUL LABO B.V.(本社:オランダ・アムステルダム、代表取締役CEO:川崎文武)と Validators DAO は、ERPC シカゴ(Chicago)リージョンのネットワーク帯域を全面的に拡張し、2025年10月14日付で全サーバーの10Gbps化を完了しました。これまで3Gbps構成で運用を行っていましたが、全サーバーを10Gbpsへ統一することで同時処理能力が大幅に向上し、トラフィック集中時でも安定した応答を維持できる構成となりました。既存のプランや価格に変更はなく、Bundle を含むすべてのサービスをこれまで通り利用できます。

背景

シカゴは、米国中西部に位置し、東海岸と西海岸を結ぶ主要な通信中継点として機能しています。内陸の中心にあるこの地理的条件により、東西どちらのネットワーク拠点にも効率的に接続できるため、全米のトラフィックを分散・統合する要として重要な役割を担っています。
これまでシカゴリージョンでは3Gbps構成で安定した運用を続けてきましたが、利用者の増加とトラフィック拡大に伴い、より高い帯域と処理効率が求められていました。今回の10Gbps化は、北米全体のデータフローを見据えた中核拠点の強化です。

DoubleZero接続とシカゴの戦略的位置

CHI–SLC–LAX 100Gbps
今回の拡張とあわせて、シカゴ(CHI)からソルトレイクシティ(SLC)、ロサンゼルス(LAX)を結ぶ100Gbps専用線ルートが稼働しました。
これにより、米国中西部から西海岸にかけての通信経路が強化され、広範囲で低レイテンシかつ安定したデータ伝送が可能になりました。
シカゴは、東海岸のニューヨーク方面とも主要ネットワークを介して高速に接続されており、アメリカ大陸の中央ハブとして、東西双方のトラフィックを最短経路で中継する位置にあります。

DoubleZeroとは

DoubleZero Network
DoubleZeroは、SolanaのバリデータやRPCノード同士を専用の光ファイバーで直結するネットワークです。 一般的なインターネット経路で起こりやすい混雑や経路変更の影響を抑え、最短ルートでデータを伝送します。
CoinbaseやGalaxyなど、200を超えるバリデータがこの専用線に参加しており、Solana全体の安定化と高速化を支えています。
ERPCではこのネットワークを通じて、SWQoSエンドポイントやShredstream、gRPCなどを運用し、より低レイテンシな通信環境を実現しています。

技術アップグレードの詳細

ネットワーク帯域は道路の車線数に例えられます。車線が増えるほど同時に流せるデータ量が増えるのと同様、帯域を拡張することで混雑時の処理詰まりや待ち時間が大幅に減少します。
  • シカゴリージョンの全サーバーを10Gbpsへ統一
  • pingベース自動ルーティングを継続し、実測レイテンシに基づく最短経路を動的に選択
  • nftablesによる防御ロジックを強化し、異常通信を自動検知・遮断
  • RPC・gRPC・Shredstream など全方式で帯域上限を更新
これらにより、トラフィック集中時のレスポンス遅延を抑制し、リージョン間の負荷分散効率も向上しています。

利用者へのメリット

  • 全サービスが10Gbps帯域で提供され、既存料金は据え置き
  • 高負荷時でも安定した応答を維持
  • 北米ユーザーを中心にレイテンシが低下
  • DoubleZero専用線経由での経路変動やパケット損失の影響を抑制

Solana RPC Bundle プラン

Bundle Plan
多くの開発者はまず WebSocket や Geyser gRPC から Solana のリアルタイムストリーム活用を始めます。すでにデコードされたデータを扱えるため導入が容易で、実装例も豊富で学習コストが低いからです。
一方で、プロはより高速な Shredstream を使います。現在のアプリを gRPC で安定稼働させつつ、より高速な Shreds の恩恵を並行開発で取り込むという実務的なニーズが強く、Bundle はこの需要を満たします。
これまで「もっと速いコネクションに挑戦したい」のに、環境整備やコストの壁で踏み出しづらい状況が続いていました。
Bundle では本番利用を想定した RPC と gRPC のコネクションを持っていれば、それよりも安い価格で Shredstream がセットになります。むしろ安くなるパック料金設定により、導入の心理的な障壁を取り除きました。
まずは RPC + gRPC でベースアプリを素早く構築し、その同じ環境の中で Shredstream を学びながら高性能化に移行できます。強者は Shredstream 単体で processed と confirmed の両方のデータを直接取り込みますが、そのためには独自にカスタマイズしたクライアントの開発が必要です。Bundle はまず Shredstream を確実に受け取れる経路を用意することで、この高度なステップへの橋渡しをします。
Bundle の gRPC もフィルター制限がなく、プロダクトの開発中は RPC の Devnet と Testnet にも対応します。
Solana 開発のスタートに最適であり、そのまま本番運用へスムーズに移行できる実戦的なプロダクトです。
導入や移行のご相談は Validators DAO 公式 Discord より受け付けています。

ERPC、Validators DAOが解決する課題

  • RPC環境で発生しがちなトランザクション失敗やレイテンシ変動
  • 多くのインフラプロバイダーによる性能制限
  • ネットワーク距離が通信品質に与える影響の大きさ
  • 小規模プロジェクトほど高品質インフラへアクセスしづらい状況
私達は、オープンソース開発を支援するSolana NFTカードゲームプロジェクト Epics DAO の開発過程で、高品質かつ高速なSolana開発環境が容易に手に入らないという課題に直面しました。そこで独自のプラットフォームを構築し、その知見を基盤として ERPC や SLV を提供しています。
金融分野のアプリケーションは特にミッションクリティカルであり、遅延やエラーは直接ユーザー体験に影響します。分散したバリデータや Web3 特有の構造が重なり合う Solana 開発では全体像の把握が難しく、多くのプロジェクトが遅延や不安定さに悩まされてきました。
私達は必要とされる高性能な開発基盤を提供し、Solana エコシステム全体の開発体験とユーザー体験の向上に貢献していきます。ERPC も SLV も、その一環として位置付けています。