「なぜ私のSolana Geyser gRPCコネクションは遅い?」よくある原因と速くするための方法

「なぜ私のSolana Geyser gRPCコネクションは遅い?」よくある原因と速くするための方法

2025.07.06
ERPCはSolanaプロジェクトや高頻度トレーダーの皆さまのために、最適なパフォーマンスを追求しています。なかでも「Geyser gRPCコネクションが遅い」「もっと速くSolanaチェーンのデータ変更を検知したい」という相談をよくいただきます。
本記事では、よくある原因を明確にし、具体的に速くするための方法を、ネットワークやサーバーに詳しくない方でもイメージしやすいように解説します。

1. 最大の原因は「距離」

インターネットはどこでも即時につながるように感じますが、実際には「距離」が影響します。
データはサーバーからあなたの端末まで、実際にケーブルや無線を通じて運ばれます。これは道路(ネットワーク経路)と車(データパケット)に似ています。光ファイバーは非常に高速ですが、それでも距離が遠いほど遅くなり、パケットロスが起きやすくなります。
金融業界では、データセンター内でセンチ単位で距離を縮めることで速度を向上させています。それほどまでに「近さ」は重要です。
ちなみに、「ping 10ms」は相当速く感じますが、私達のお客様からのフィードバックによると、少なくとも「ping 1ms」以下のレイテンシでないと実用的ではないとされています。

距離を短くするための方法

  • Solanaエンドポイントと同じネットワーク内にサーバーを置く
  • Solanaエンドポイントと同じデータセンターを選ぶ
  • Solanaエンドポイントに近い(同じ都市の)データセンターを選ぶ
ERPCでは、Solanaエンドポイントと同一ネットワーク内にベアメタルサーバーやVPSを提供しており、最速の環境を実現しています。ping値では約 0.1ms のレイテンシを実現しています。

2. 共用エンドポイントはなぜ遅いのか?

共用エンドポイントは多くのユーザーが同時にアクセスします。サーバーは一見すると同時処理しているように見えますが、実際は順番に処理しています。これはスーパーのレジ待ち行列と似ていて、混雑していると順番待ちが長くなり、遅延します。
専有エンドポイントはこうした順番待ちがなく、常に高速に動作します。実際、多くの競合トレーダーやプロジェクトが専有エンドポイントを利用しているのは、このためです。

3. ハードウェアの重要性

ネットワーク以外にも、サーバーの性能も重要です。
  • CPU:高クロックCPUはデータ処理速度が速く、コア数が多いほど多数の同時接続を効率よく処理できます。
  • RAMとストレージ:DDR5 RAMやNVMe SSDなど最新のハードウェアがパフォーマンスを大幅に向上させます。
ERPCはこうしたハードウェアの選定やカスタマイズも丁寧に行い、最高のパフォーマンス環境を提供しています。

4. データ取得方法の最適化

データ取得時のフィルターや処理方法も遅延の原因になることがあります。
  • フィルターを最適化する:一つの大きなフィルターで多数のアドレスを監視するより、小さく分けて並列処理を行う方が高速になります。
  • RustとTokioによる並列化:特にRust言語のTokioフレームワークを活用したマルチスレッド・非同期処理を導入することで、さらに効率的で高速なデータ処理が可能です。

5. レイテンシの計測方法に注意

Solanaのブロックタイム計測は秒単位であり、実際の遅延を正しく評価するには注意が必要です。
正しい評価方法は以下の通りです:
実際のレイテンシ ≈ 受信時刻 - (ブロックタイム + 500ms)
これにより、より正確なレイテンシが把握できますが、あくまで目安です。実際の環境でのテストを推奨します。

最後に

ERPCはお客様のニーズに合わせて環境構築をサポートしています。高速で安定した環境のために、無料トライアルも提供していますので、ぜひ Validators DAO 公式 Discord にてお気軽にご相談ください。
ERPCは、今後も最適なソリューションの提供を目指して努力を続けてまいります。